
拠点リーダー 化学専攻教授
鈴木 啓介
“Chemistry creates its own object.” M.Berthelot (1860)
この言葉に象徴されるように、化学という学問にはオブジェを創り出し、自らそれを吟味する点に最大の特徴があります。その意味で、合成(synthesis)と解析(analysis)は、その昔から科学研究の両輪でした。しかし、化学の進歩とともに様々な分野が急速に進化(深化)し、両者の間にはあたかも目に見えない垣根があるかのようになってしまいました。場合によっては、進歩の妨げにすらなっていることが危惧されています。
しかし、翻ってこれを一つの好機と捉えることはできないでしょうか。なぜなら、この“無意識の垣根”を取り払い、最先端の「物質合成」と「機能解析」とを強力に相互作用させる“仕掛け”を作れば、新しい何かおもしろいことが期待できるからです。
そこで私たちはこの逆転の発想をもとに、「物質合成」と「機能解析」の両者が円滑に相互乗り入れをするように、この拠点を作りました。具体的には、創発(emergence)を合言葉として、様々な背景を持った人々が集い、そのもてる知識と技術をダイナミックに交換し、飛躍的進歩をはかる場として、教育研究クラスターを組織します。
主役は、もちろん若い大学院生諸君です。
平成14年度より山本隆一リーダーの下で行ってきた先行プログラム、21世紀COE「分子多様性の創出と機能開拓」で培った連帯感をもとに、6専攻の教員ならびに海外協力校、連携組織(理化学研究所)と手を携えて進んでいきます。是非、皆様の御支援をお願い致します。


